前回、計測器検索.comで計測値と分解能を入れて計測器を検索すると5.5桁や6.5桁のデジタルマルチメータが出てきたんですが、詳しく教えてください!
そうだったね。
まずデジタルマルチメータ(DMM)は電圧や電流、抵抗、周波数など色々なパラメータを計測出来る計測器だよ。
オシロスコープと並んで、とても良く使われる計測器だね。
デジタルマルチメータ(DMM)でその名の通りマルチに色々計測出来るメーターって事ですね。
そうそう。
そして桁数は主にデジタルマルチメータやテスタの基本性能の事で表示可能な桁数の事だよ。
まずDMMにはディスプレイに計測値を表示できる最大表示というものがあるんだ。
最大表示??
ここに表示出来る一番大きな数字のことだよ。
ちなみにこの時に小数点は無視するよ。
各桁の最大数値は通常9だから、4桁のDMMだと9999ということですか?
その通り。
同じく5桁なら99999が最大表示だね。
この4桁と5桁の性能差は分かるかな?
桁数が大きい方が小さな桁まで計測出来る・・・?
正解!
例えば4桁のDMMと5桁のDMMで5Vを計測すると
4桁DMMでは 5.000Vと表示され、5桁DMMでは5.0000Vと表示されるよ。
この時に性能が高いのはどちらかな?
4桁DMMは最小桁が1mVですが、5桁DMMでは0.1mVなので 5桁DMMの方が高性能です。
そうだね。
もちろん、5桁DMMの方が小さい桁まで表示出来ているので細かな計測が可能ということになるね。
また、測定値がもっと大きくなったり小さくなったりしても同じことが言えるね。
はい!
でも4.5桁や5.5桁の0.5桁がよく分かりません。
OK。
0.5桁は最大表示した場合に最も左側の数値(最も位の大きな桁)が9以外の時に0.5桁とカウントするんだ。
???
例えば最大表示が19999のDMMがあったとすると、これは最大表示でも最初の桁が1なので0.5桁とカウントするので、このDMMは4.5桁と言われるんだ。
うーん、、、なんか中途半端ですね。。。
でもこの0.5桁があると無いとで結構違うんだよ。
そうなんですか?
じゃあここに4桁のDMMと最大表示が19999の4.5桁のDMMを用意するね。
これで5Vを計測してみよう。
両方とも5.000Vで同じです。
そうだね、4.5桁DMMの最大表示は19999で最初の桁の最大値は1だからそれ以上の場合は1つ桁が下がって5000という表示になるね。
じゃあ次は1Vを計測してみよう。
4桁の方は1.000Vで4.5桁の方は1.0000Vで1桁多く表示されています!
そうだね。
0.5桁があるおかげで4.5桁の方が桁数を有効に使える範囲があるんだ。
なるほど!
4桁よりも4.5桁の方が良い事がわかりました!
でももう少し踏み込むと同じ4.5桁でも違いがあるんだよ。
え、そうなんですか?
最初の説明で「最大表示が9以外は0.5とカウントする」と言ったよね。
はい。
なので8でも0.5桁になってしまうんだ。
???
あ!? 最大表示が19999でも89999でも同じ4.5桁DMMという事ですね!?
その通り!
私は89999表示の製品は知らないけど最大表示が大きければ大きい程 桁を有効に使えるので
5桁DMMに近くなるという事なんだ。
なるほど!
19999と59999の同じ4.5桁DMMでも実用面ではかなり違いますね!
そうなんだ。
4.5桁DMMでも計測する最初の数字が1~5までなら5桁DMMと同じ表示が出来るという事だからね。
わかりました!
でも桁数だけ大きくても誤差も大きいDMMも稀にあるから注意してね。
そうなんですか!?
あくまで桁数は機種選定をする為の1つの指標で本当にシビアに選ぶなら前回のμA計測の時に出てきた分解能や、
データシートに書かれている確度計算などを見る必要があるよ。
なるほど・・・
でも基本は桁数で探す事である程度の目安にはなるから よほどこだわる場合以外は充分参考になるよ。
前回は計測器検索.comで計測する値と分解能を入力する事でDMMを検索したけれど
もっと簡単に探す場合は今回のように桁数から探す事も可能だよ。
計測対象がたくさんある場合や、値が決まっていない場合は桁数で探す方が便利ですね!
たしかにそうだね!!
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