オシロスコープを選ぶ時には まずは周波数帯域を決めることが最初のステップです。
ですが、「何Hzの帯域のオシロスコープを選べば良いのかがわからない」という声をよく聞きます。
その理由として
などという情報が存在するからです。
もちろん上記は正しいのですが、入門者や専門ではない人からすると「で、何Hzを選べばよいのか?」という疑問が生まれます。
そもそも「どんな信号が出ているか分からないからオシロを使うのに・・・」という人もいるでしょう。
そんな人向けに 計測器検索.comでは【見たい信号】と、【見えなくても諦める信号】の2点から周波数帯域を選ぶ方法を推奨しています。
まずは下記 表を参考にオシロスコープの帯域の目安を知る所から始めましょう。
早見表の見方
①測定対象(青系の欄)から最も近い用途、目的を選びます。
②同じ列の薄ピンクの欄からオシロで見えなければいけない信号の値(仕様)を選びます。
反対に言うと、この値(仕様)よりも厳しい条件は「見えなくても諦める」という事になります。
「必ず見えないといけない」と「これ以上は見えなくても諦める」という2点から考える事をお勧めします。
③一番左の列(黒い欄)がその性能を満たすオシロスコープの周波数帯域です。
④イメージが分かりにくい場合はそれぞれのアルファベットの説明を見てください。(ページスクロール)
【C】周波数の確認程度・簡単なモニタ (振幅誤差30%以下で計測)
注意事項
*プローブの特性は含まれていません。
*測定する時間によってメモリ長不足に起因するサンプリング速度、周波数帯域の低下は考慮していません。
*サンプリング速度は帯域 × 2.5倍での計算です。
*上記計算は各周波数帯域の最低スペックを基準に算出しています。実際にはもう少し余裕を持たせているオシロもたくさん多くあります。
*必要な周波数帯域を簡単に絞る為の目安値です。実際にはメーカー、信頼できる販売店に相談して最適な機種を決めてください。
周波数帯域が決まったら 計測器検索.com のオシロスコープ簡単検索ページ で周波数帯域とch数を入力して 【性能】と【価格】の両方から最適なオシロを選びましょう。
測定信号がAの周波数以下の正弦波であれば、正確に波形の再現が可能です。
多くのオシロスコープメーカーが推奨する「測定対象の周波数の5倍」という機種選定の基準がこのあたりになります。
ただしこれは 測定対象の「理想的な信号の周波数」を基準にするのではなく、「観測しなければならない信号」を元に帯域を決定する必要があります。
例えば1MHzの波形に乗っている 10MHz以下のノイズを正確に計測するには、 1MHzの5倍の周波数帯域の機種を選定するのではなく、10MHzの5倍の周波数帯域の周蓮帯域を持つオシロスコープを選ぶ必要があります。
そこまで振幅の精度を求めない場合にはこの周波数を目安にしましょう。
ただし、これも条件は【A】同様となります。
波形が出ているかどうか? 明らかに違う波形が出ていないかどうか? を確認できるレベルです。
オシロスコープの持つ周波数帯域と同じ周波数の信号を入力するとこのような結果となります。
【A】【B】【C】はあくまで 入力信号が「正弦波」の時のみに適応される結果です。
正弦波以外の波形や、スパイクなどの波形が出た場合には、オシロスコープに正しく表示されなかったり、見つける事すらできない事があります。
また、オシロの周波数帯域よりも明らかに高い周波数の信号が入った場合に、全く違う波形として表示されてしまうこともあります。
赤い波形(ノイズや不具合信号)の周波数が【D】以下であればほぼ同じ形の波形としてオシロスコープで再現が可能です。
オシロスコープの周波数帯域を選ぶ際に最も基本となる 機種選定の基準です。
何Hzの波形まできちんと表示させるか?という基準になります。
ノイズや不具合波形を、完全に再現する必要は無いけれども、それが存在していることに「気付ける」レベルです。
ノイズや不具合波形がこの周波数以上になると、存在していてもオシロスコープでは表示出来ない(見落としてしまう)可能性が出てきます。
ノイズや不具合波形を、完全に再現する必要は無いけれども、それが存在していることに「気付ける」レベルです。
ノイズや不具合波形の幅がこれ以下になると、存在していてもオシロスコープでは表示出来ない(見落としてしまう)可能性が出てきます。
入力信号の立上り時間を正確に計測する必要がある場合には【G】の値を参考にします。
スイッチング波形の評価など 多くの場面でこれが基準として使われます。
【G】の時間よりも遅い立上り信号を計測する場合には誤差は3%以下になります。
【G】よりも早い立上り時間の信号を入力した場合には誤差は3%よりも大きくなります。
オシロスコープでパルスを計測する場合には 一般的にこの値を基準にしてオシロの周波数帯域を決める事が多いです。
ただし、オシロスコープの立上り時間の定義は信号の10%~90%までの時間とされている事に注意してください。
入力信号の立上り時間をそこまでシビアに計測する必要が無い場合には【H】の値を参考にします。
【H】の時間よりも遅い立上り信号を計測する場合には誤差は10%以下になります。
【H】よりも早い立上り時間の信号を入力した場合には誤差は10%よりも大きくなります。
オシロスコープの立上り時間の定義は信号の10%~90%までの時間とされている事に注意してください。
人により捉え方が変わってしまうので かなり曖昧な表現になってしまいますが、波形の再現性の目安の1つとして あえて記載します。
【I】の周波数以下であれば矩形波か、正弦波(サイン波)かの判断が出来る程度には表示できるレベルになります。
波形(の形)を確認する必要はなく、パルスのカウントだけでよければ【I】の周波数以下であれば可能です。
ただしDUTYが50%(パルスのONとOFF、0と1)の時間が同じ場合にのみ適用されます。
例えばパルスの周波数が20MHzであってもそのパルス幅が極端に短ければ50MHz帯域のオシロでもカウントすら出来ない可能性があります。
その場合は【G】や【H】の立上り時間などから計算してみましょう。
以上、オシロスコープの周波数帯域を決める際の【目安】でした。
(補足情報)
多くのオシロスコープは上記よりも余裕を見たスペックを持っておりますが、仕様ぎりぎりの製品や、使用ch数によってぎりぎりになる製品もあります。
本ページでは低い方の仕様に合わせて計算しています。
計測器検索.com / 時間軸波形測定(オシロ・ロガー等) (keisokukikensaku.com)
また、直流電源やDMM、FG、スペアナなども 必要な値を入力すれば簡単に検索が可能です。
計測器検索.com / スペック検索 (keisokukikensaku.com)
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