力率が低いとモータのインピーダンスが増加し、電流が流れにくくなる。同一回転数で比較すれば、力率が低いとモータの電流が低下し、トルクが低下する。
また、力率が低いと直流電源とインバータ間の直流電流の脈動が大きくなり、そこでの銅損が増加する。力率が1の場合は、キルヒホッフの法則から直流電流を求めることが可能で、インダクタンスの影響で直流電流に脈動は発生しないとみなすことができる。しかし、力率が低いと、インバータのスイッチング素子の回生ダイオードを通過する電流が増加する。回生ダイオードを通過する電流が大きいほど、直流電流の脈動が増加する。
インバータへの入力電力は、直流電圧と直流電流(平均値)の積で求まる。これは、インバータの損失を無視した場合のモータの有効電力に等しく、電源消費にも等しい。
インバータへの入力電力=モータの有効電力=電源消費:Vdc×Idc
上記電流波形の1周期分の銅損は
力率が1で、直流電流に脈動がない場合の銅損は
以上より、直流電流に脈動が生じても平均電流は同じ(電源消費は同じ)だが、直流電源~インバータ間での銅損が増加することがわかる。したがって、力率が低いほど直流電源~インバータ間の熱容量を大きくしたり、放熱性を高くする必要がある。
当ウェブサイトでは、アクセス状況の測定・分析を目的に、クッキー(Cookie)を利用しています。クッキーの利用に同意いただくか、又はウェブサイトの閲覧を継続することで、クッキーの利用を承認いただいたものとさせていただきます。詳しくはプライバシーポリシーをご覧ください。クッキー(Cookie)とは?