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スペクトラムアナライザの選び方
スペアナとシグアナ
現代は携帯電話や無線LANに代表されるデジタル無線通信が増えています。
従来のスペクトラムアナライザではこれらのデジタル無線通信信号の復調・解析が難しくなってきました。
そのため解析帯域幅(後述)を広げて、信号処理をA/D変換器とデジタル信号処理回路に置き換えたスペクトラム
アナライザが登場しました。
さまざまなデジタル変調・通信信号解析などが行えるようになったため、従来のスペクトラムアナライザと区別するためにシグナルアナライザと呼ぶようになりました。
乱暴に言いますとデジタル変調解析がいらなければスペアナ、必要であればシグアナといったところでしょうか。
【測定周波数範囲】
これは文字通り皆さんが測定されたい周波数範囲になります。
下限周波数も上限周波数も皆さんが必要とされる周波数を確認のうえ選定ください。
またスプリアス測定の場合、測定する基本周波数の2倍や3倍等の上限周波数が必要となり場合があります。
スプリアス(不要信号)とは、主として高調波から成る設計上意図されない周波数成分のことで、
通信を行う上で必要のない「不要電波」「不要発射」のことです。
【表示平均雑音レベル】
DANLとも表記されます Displayed Average Noise Levelの省略形です。
これはスペアナがどのくらい小さい信号まで測定できるかの目安になります。
スペアナのディスプレイ上に表示されるノイズフロアのレベルで、測定可能な最小信号レベルを表します。
たとえば皆さんが測定したい信号レベルの最大ピークが-130dBmの時スペアナのノイズフロアのレベルが-120dBmであれば
そのスペアナのノイズに埋もれて-130dBmは見えなく測定できないという事になります。
ですので、皆さんがスペアナを選定される場合はこのDANLのスペックは重要です。
DANLの仕様は必ずRBW(後述)の条件が規定されています。
RBWを1Hzと正規化した場合 3GHzの時のDANLは-143dBm 等 とデータシートには記載されます。
実際に使用されるRBWの値によってDANLは変わってきますので、カタログにDANL-140dBmと記載があったと
しても常に-140dBmあるわけではありません。
各メーカの仕様書には、測定条件、周波数ごと、内蔵プリアンプON/OFFごとにDANLの仕様が記載されています。
【分解能帯域幅(RBW)】
これはスペアナの選定の為というよりは、使用方法に関するファクターが強いのですが、重要なものなのでこちらで説明いたします。
RBWはResolution Band Widthの略で、スペアナ内部のIFフィルタの帯域幅のことを指します。
このフィルタの幅でスペアナの画面左から右へと掃引していきます。
基本的には、振幅対周波数の表示は、図1のように接近した信号でも識別されたものでなければなりません。
もし図2のようになるとしたら、信号は識別できなくなります。
RBWを細かく設定することで、どれだけ接近した信号を分離して測定できるかが決定されます。
RBWを狭くすると、周波数分解能が向上するため、スペアナが表示するスペクトラムが鋭くなります。
逆に包絡線を見たい場合はRBWを広くします。
RBWを狭くすればするほど、掃引速度が遅くなり、RBWを広くすればするほど、掃引速度が速くなります。
またRBWを1/10にするとノイズは10dB減少し、逆にRBWを10倍にするとノイズも10dB増加します。
【位相ノイズ】
信号の純度を表す尺度になります。
中心周波数から一定値離れた位置(オフセット周波数)における周波数成分で表され,
値が小さいほどノイズ成分の少ない信号といえます。
理想的な信号は1本の垂直線で表れる単一の周波数でも、実際にはスペアナのノイズ成分等で、
基本周波数の近くに「スカート」のように広がったノイズが生じます。
位相ノイズは、搬送周波数からオフセット周波数だけ離れた点における1Hz帯域幅のノイズ電力と、
キャリア電力との比として規定されます。
位相ノイズの性能が悪いと近接した信号に妨害を与えてしまいます。
【解析帯域幅】
ここでは解析帯域幅について述べたいと思います。
冒頭でも述べましたが、この解析帯域幅内の信号を解析しますのでシグナルアナライザと呼ばれています。
測定周波数の範囲が9KHz~7GHzのモデルがあったとして、この周波数範囲全部を解析できるわけではありません。
解析帯域幅の範囲で解析を行います。
無線LANは2.4GHz帯とか5GHz帯を使っているなど、皆さんよく聞かれると思います。
詳しい規格の話は機会があればさせていただくとして、今回は簡単に説明させていただきますと
無線LANでは規格によって20MHzから160MHzの幅のチャンネルを使って通信を行っています。
また、5Gでは最大400MHzの帯域幅、車載用レーダーではGHzのオーダーの帯域幅など、
近年の通信では非常に広い帯域幅を使っています。
これらの帯域幅を解析できる幅のことを解析帯域幅と呼んでいます。
たとえば測定周波数範囲が9KHz~26.5GHz 解析帯域幅 400MHzのモデルの場合、
この9KHz~26.5GHzの間の任意の400MHzの幅の中を解析します。
【リアルタイムスペアナ】
従来の掃引型スペアナでは、分解能帯域幅の項で少し述べましたがIFフィルタの幅で
スペアナ画面左から右へ掃引して波形を表示しています。
極端にいいますとこのIFフィルタが通過していないとところで突発的に信号が出た場合
スペアナ画面には表示されないことになります。
リアルタイムスペアナは、高速処理(サンプリング等)とFFTを並列に行い、
突発的・間欠的な信号等見逃しやすい現象をシームレスに表示することが出来ます。
なおリアルタイムといいましてもスペアナの全周波数範囲をシームレスにというわけではありません。
さきほど解析帯域幅を説明いいたしましたが、同様にリアルタイム帯域幅というものがあります。
測定周波数範囲の中のリアルタイム帯域幅の部分(例えば160MHz幅)シームレスに表示することが出来ます。
リアルタイムスペアナの性能でPOI(Probability of Intercept:捕捉率)というものがあり、
これはその時間内では取りこぼしがないという指標になります。
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GW インステック製
ローコスト 3GHz スペクトラムアナライザ GSP-730
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スペクトラム・アナライザ DSA815-TG
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シグレント製
スペクトラムアナライザ 1.5GHz SSA3015X Plus
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GW インステック製
ローコスト 1.8GHz スペクトラムアナライザ GSP-818
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シグレント製
スペクトラムアナライザ 2.1G SSA3021X
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シグレント製
スペクトラム&ネットワークアナライザ 1.5GHz SVA1015X
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リゴル製
スペクトラム・アナライザ DSA815
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シグレント製
スペクトラムアナライザ 2.1GHz SSA3021X Plus
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リゴル製
スペクトラムアナライザ RSA3015E
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マイクロニクス製
ハンディスペクトラムアナライザ 3.3GHz MSA438
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シグレント製
スペクトラムアナライザ 3.2G SSA3032X
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リゴル製
リアルタイム・スペクトラム・アナライザ RSA3030E
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シグレント製
スペクトラムアナライザ 3.2GHz SSA3032X Plus
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リゴル製
スペクトラムアナライザ RSA3015E-TG
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マイクロニクス製
ハンディスペクトラムアナライザ 3.3GHz EMI測定 MSA438E
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リゴル製
リアルタイム・スペクトラム・アナライザ RSA3030E-TG
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マイクロニクス製
ハンディスペクトラムアナライザ 3.3GHz TG付 MSA438TG
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シグレント製
スペクトラム&ネットワークアナライザ 3.2GHz SVA1032X
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リゴル製
リアルタイム・スペクトラム・アナライザ RSA3030
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テレダイン・レクロイ製
スペクトラムアナライザ T3SA3100
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