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これは呼び名の通り入力チャンネル(ch)数になります。
2ch,4ch,8chモデル等があり、目的によって必要なモデルを選んでいただくことになります。
後で出てきますが、オシロスコープの仕様は最大スペックで記載される事が多くあります。
例えば 4chのオシロスコープで1GHz 5GS/s 100Mポイントメモリの製品であっても
記載された性能が発揮できるのは 2chで使用した場合のみ という事もあります。
また外部トリガの有無も考慮して選択する必要があり、Ch数はシンプルな選択肢ですが注意が必要です。
これはオシロスコープの入力部分のアンプの特性になります。
注意点は1GHzの周波数帯域のオシロスコープでは1GHzの信号を正確に測定できないということです。
周波数帯域とは入力した周波数の振幅に対し3dB(電圧で約70%)減衰する周波数のことを言います。
たとえば1GHz周波数帯域のオシロに1GHzのサイン波を入力しても約30%減衰しています。
誤差3%に抑えるには、測定する最高周波数成分の3倍~5倍の周波数帯域のオシロが必要です。
またパルス波形測定の場合は、別の観点から検討が必要です。立ち上がりが0秒のパルス波があったとしても、
オシロスコープでは物理的に0秒で表示できない限界があります。
オシロスコープが持っている立ち上がり時間という性能でおよそ次の式になります。
立ち上がり時間 = 350 /f (MHz) {nsec} f:オシロスコープの周波数帯域
たとえば、周波数帯域350MHzのオシロスコープの場合は、立ち上がり時間は1n秒になり
0秒の立ち上がり信号を入力しても1n秒と測定されてしまいますので注意が必要です。
オシロスコープを選ぶ際に全体として言える事ですがユーザーの目的に合うかどうかで考える事が重要です。
例えばパルス数のカウントが目的であれば後者の見え方でも目的は達成します。
必ずしも100%波形を再現する事に重点を置くのでは無く目的に合わせてどこまで許容出来るか?という考え方も重要になります。
サンプリングスピードとは、上記のアンプを通過したアナログ信号をデジタルに変換するADコンバータの性能 になります。
例えば1GS/sとは1秒間に1G回サンプリングするという事です。
1GHz = 1,000,000,000Hzですので、1秒間に1,000,000,000回サンプリングするという事です。
測定に必要なサンプリングスピードは測定周波数の成分の10-25倍以上のもを選ぶのが良いとされています。
サンプリングスピードが足りないと、サンプリング間隔があいてしまい、元の波形を再現できなくなり、
まったく違った波形を表示してしまう可能性があります。
垂直分解能とは、ADコンバータの縦軸(電圧軸)の分解能の性能になります。
一般的なオシロスコープでは8ビットから12ビットのモデルが多いようです。
縦軸の分解能はそれぞれ
8ビットは 2^8(2の8乗) =256
10ビットは 2^10 (2の10乗)=1024
12ビットは 2^12 (2の12乗) =4096
もちろん数字が大きい程 細かく表示出来ます。
ただしここでも注意点があり、8ビットのモデルで画面の上下半分しか使っていなければ、
その波形は7ビットの分解能となってしまいます。
なお、このビット数はADコンバータ自体の数字になりオシロスコープでは自身のノイズ等の影響から
実用上の分解能(ビット数)はここからさらに低くなります。
この実際の分解能のことを有効ビット数(ENOB)といい重要なファクターです。
実際の垂直分解能より高分解能で測定できる機能(HDモードやハイレゾモード 等)があり
8ビット垂直分解能オシロでもハイレゾモード16ビット相当等と呼んでいるのがそれです。
ある時間軸設定で測定中のサンプリングレートよりADコンバータの最高サンプリングスピードが速い場合、
その余ったサンプリングポイントを平均化演算することによって縦軸の分解能が向上するというものです。
ただし、このHDモードやハイレゾモードを使用する場合は、周波数帯域に制限がかかります。
上記ADコンバータでサンプリングされたデータが格納されていく場所になります。
メモリ長が長い方がより長い時間を取り込めますし、取り込み時間固定した場合、サンプリング間隔を狭く維持できます。
注意点はオシロスコープのチャンネル当たりのメモリ長です。
メーカや機種によって記載方法に違いがありたとえば、
4chオシロの場合で「100Mポイントメモリ」と記載の場合
1ch使用時のみ100Mポイントで、2ch使用時ではその半分の50Mポイントとなる製品や
4ch使用時でも全CHで100Mポイント(合計400Mポイント)使用できる製品もあります。
デジタルオシロスコープでは画面更新スピードも重要な性能です。
入力信号を取り込んで信号処理をして、表示し、次の入力信号を取り込む間にデッド・タイムと呼ばれる
波形取り込みをしていない時間が存在します。
このデッドタイムは全体の90%以上という場合もあります。
このデッドタイムをより小さくするため、波形更新速度が高速であればあるほど有利になります。
上記画像では補足1~補足2までの間のデッドタイムで発生した不具合波形等は見逃しています。
波形更新速度100万回/秒のオシロで 1秒に一回捉えれた場合でも、波形更新速度1万回/秒のオシロであれば
理論上100秒に1回しか捉えられないので、異常波形を発見するのが難しくなります。
入力インピーダンスを1MΩと50Ωで切り替えることができるモデルがあります。
標準プローブを使って測定の場合1MΩ入力を使います(機種によってはプローブを接続すると自動設定します)
高周波信号を測定する場合やアクティブプローブを利用する場合は、50Ω入力インピーダンスで測定を行います。
汎用モデルではこの50Ω入力がないものもありますので、機種選択時には注意が必要です。
また1MΩと50Ω時で周波数帯域の仕様が違う場合もありますので注意が必要です。
(たとえば50Ω時1GHz、1MΩ時は500MHz等)
入力インピーダンスを1MΩ(標準で付属しているプローブも)で使う主な理由は測定物(DUT)のインピーダンス が不明なときなど
オシロスコープ側に電流が流れて測定物(DUT)が誤動作をすることを防ぎます。
入力インピーダンスを50Ωで使う理由として、測定物(DUT)出力インピーダンスが50Ω時にインピーダンス整合を取 りオシロスコープからの反射を防ぐためです。
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