データロガーはオシロスコープの下位互換??

今日お客様からゆっくりとした信号の変化を見たいというニーズをお聞きしたんですが・・・

いいね。

それでデータロガーのご紹介はしたのですが・・・

うんうん。

紹介するのは本当にデータロガーで良かったのでしょうか?

 

???

ぼくはゆっくりした信号ならデータロガー、kHzやMHzなどの速い信号はオシロスコープだと思っていました。

 

まぁ間違っていないと思うよ

でも速い信号を計測出来るオシロスコープよりも、ゆっくりとした計測しか出来ないデータロガーの方が価格が高い物が多いんです。

 

なるほど。たしかにオシロスコープは最近すごく安くなっているし同じ速度で計測するだけならオシロスコープの方がコスパが良いかもね。

 

じゃあオシロスコープの下位互換なのに価格の高いデータロガーの出番はなくないですか?

 

そんな事はないんだ。データロガーじゃないと計測出来ないこともあるんだよ。

 

そうなんですか?

 

じゃあオシロスコープと比較してデータロガーのアドバンテージを説明していくよ

 

お願いします。

今日説明したいのは全部で3つ

①ch間絶縁

②基準接点補償回路

③ADコンバータ

 

まず①のch間絶縁というのはGND側の基準電位が違う(電位差がある)場所でも計測出来るという事。

イメージし易いように乾電池で考えてみよう。

このような回路があった場合にオシロスコープのch1とch2のでそれぞれの電池の電圧を計測してみて

 

簡単です。電圧の計測は測定対象に並列に電圧計を入れるだけなので・・・

 

残念。基本的にオシロスコープでは直列に接続された電池の電圧を計測出来ないんだ。

え・・・

オシロスコープの各chのGND(マイナス側)は内部で共通になっているので電位差がある場所では計測出来ないんだ。

 

そういえばそんな話を聞いたことがあるような・・・

 

なので今回のような基準電位(GND側)が違う回路を測定する場合はch間が絶縁されている計測器が必要なんだ。

 

と、いう事はデータロガーのch間は絶縁されているという事ですか?

 

その通り。一般的にデータロガーと呼ばれる波形測定器ならch間は絶縁されているので今回のようなGND電位が違う測定対象でも計測する事が可能だよ。

 

なるほど。①のch間絶縁について分かりました。

 

次に②の基準接点補償回路。これは簡単に言うと温度センサを使えるかどうか?だよ。

 

そういえばオシロスコープでは温度センサは使えないですもんね。

あれ?でも熱電対って温度によって電圧が発生していますよね?

 

そうだよ。

 

オシロスコープも電圧を測定する計測器なので温度センサを使えるんじゃないですか?

 

良い質問だね。ルーキー君の言う通りでオシロスコープは電圧を計測しているんだけど温度センサが使えない。

その理由に「基準接点補償回路」が関係するんだ。

まず熱電対のような温度センサはものすごく簡単に言うと温度を測定するんじゃなくて温度差を測定するものなんだ。

 

温度じゃなくて温度差ですか?

 

そう。このように熱電対で温度を測定したい場合でも発生する電気信号(電圧)は計測器側の温度と測定対象の温度の差分だけ。

「基準接点補償回路」が内蔵されているデータロガーならきちんと温度として計測が出来るんだよ。

 

なるほど。

 

あと補足なんだけど、温度センサの検出温度と出力(電圧)は直線じゃないからそれも関係しているね。

これをオシロスコープで自動的に温度に換算するのはとても大変なんだ。

データロガーなら自動で温度に換算してくれるからとても便利だね。

 

わかりました。

②の基準接点補償回路は簡単に言うと温度センサが使えるかどうかですね!

 

その通り。

③つめのADコンバータはどれだけ細かく電圧を計測出来るか?という違いだよ。

 

データロガーの方が正確に計測できるという事ですか?

 

そうだね。オシロスコープは8bitのADコンバータが主流でデータロガーは14bit前後のADコンバータが採用されているよ。

 

8bitのオシロスコープと14bitのデータロガーだと2倍近く差がありますね。

 

いやいや、8bitと14bitだと64倍の差があるよ。

 

そんなに!? でも64倍の差ってどのくらいか分かり辛いですね。

 

例えば1Vレンジを使用した場合に8bitのオシロスコープでは最小のきざみ(分解能)が約4mVに対して14bitのデータロガーだと約0.06mVきざみに計測が可能なんだ。

 

mV以下の小さい変化を見る場合はデータロガーがじゃないと正確に計測出来ないですね。

 

そうだね。実際の計測精度はノイズやドリフトなど他にも色々と影響する事があるので一概には言えないけど少なくともADコンバータの性能である分解能で比べた場合はかなりの差があるね。

それからさっきの温度計測の話にも関係するんだけど温度センサの出力はものすごく小さいのでやっぱりここでも高分解能のデータロガーの方が適しているという事が言えるね。

 

わかりました!

オシロスコープに対してデータロガーの優位点をまとめると

①ch間絶縁なので電位差のある場所でも計測が可能

②温度補償回路を内蔵しているので熱電対などの温度センサが使用可能

③高分解能のADコンバータ搭載で小さな信号の変化も正確に計測出来る

という事ですね。

 

その通り。

細かい違い他にもたくさんあるんだけど機能としては主にはこの3つだね。

今日のお客様には何をご提案すべきか分かったかな?

 

はい!10chの温度計測する必要があると仰っていたのでデータロガーのご提案で良かったと思います。

 

良かったね。

・・・・10ch ?

もうその時点でほぼデータロガーだったね・・・

 

計測器検索.comを使えば「時間軸波形測定器」からサンプリング速度と記録時間、ch数などを入力する事で対応するデータロガーやオシロスコープを簡単に選ぶことが出来るよ。

 

要なスペックから選定出来るのであちこちカタログやデータシートを見なくて良いので便利ですね!!

他にもいろいろな計測器をスペックから機種選定したり、計測したいパラメータや分解能を入力しても最適な製品がピックアップされるから使ってみてね。

 

 

 

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